みなさんはバーでお酒を注文する際、どうしていますか?
- 知っているカクテルを注文する。
- おすすめを聞く。
- 毎回決まったお酒を飲む。
- メニューを見て選ぶ。
- ウィスキーしか飲まない。
人それぞれの注文の仕方があるでしょう。
しかし、その注文の仕方について深く考えたことは、あまりないのではないでしょうか。
数多くあるお酒の中から一杯を選んで注文する。
バーでの注文はとても奥深い要素をもっています。
今回は、バーの新しい楽しみ方を提案するために、バーでの注文の仕方にスポットを当てた
『注文の仕方でバーを楽しみ尽くす方法』
をお届けいたします。
初めてバーを利用するという方は、「バー入門 ~ようこそ、BARの世界へ~」を読んだ上で本編をお楽しみください。
スタンダードカクテルを飲み比べる
まずは、居酒屋などでよく知っている(飲み慣れている)カクテルを頼んで、バーテンダーさんが作る本物の味を体験することがオススメです。
特に、ジントニックやジンフィズといったカクテルは、バーテンダーさんの腕前や好みを判断するカクテルにもなりますので、まず最初はスタンダードなカクテルから入るのがいいでしょう。
ジントニック (ジンベース)
ジントニックを頼んだ際、「何かお好きなジンはありますか?」と聞かれることがあります。
ジンには、
- ビーフィーター
- ゴードン
- タンカレー
- ボンベイ・サファイア
といったように、様々なメーカーの物があります。
ジンを変えることで色々な味わいを楽しむことができるのです。
自分のお気に入りのジンがある場合は、「ジントニックを、ジンはタンカレーでお願いします。」と注文しましょう。
良くわからない、という方は「お任せします。」で大丈夫です。
モスコミュール (ウォッカベース)
モスコミュールは、ウォッカベースの非常にメジャーなスタンダードカクテルの一つですが、バーで頼むとひと味違います。
本格的なバーでモスコミュールを注文すると、写真のような銅のマグカップで出されることが多いです。また、使用するジンジャエールも甘口、辛口を選ぶことができるお店もあります。
有名なカクテルを飲んでみる
カクテルには映画や小説などに度々登場する様な、王道のカクテルが多数あります。
- マティーニ
- マンハッタン
- ギムレット
- サイドカー
- XYZ
- シンガポールスリング
- モヒート、、、
名前を挙げればキリがありません。
これらの王道カクテルは是非、本格的なバーで味わってください。
マティーニ (ジンベース)
「カクテルの王様」と言われる非常に有名なカクテルです。007でジェームズ・ボンドがよく飲んでいるアレです。
マティーニはドライジンとドライベルモットを使ったお酒ですが、「マティーニには1000のレシピがある」と言われるほど、作り手の腕や好みによって味が変わる、とても難しいカクテルなのです。
007 カジノ・ロワイヤルでは、ウォッカを加え、ベルモットの代わりにキナ・リレ(リレ・ブラン)を使用した「ヴェスパー・マティーニ」が登場しています。
お好みのジンを選んでも問題はないのですが、やはりそのお店のオリジナルレシピを味わう方がいいでしょう。
マティーニはアルコール度数が高いカクテルなので、飲む際は注意しましょう。
マンハッタン (ウィスキーベース)
こちらは「カクテルの女王」と言われるライ・ウィスキーベースのカクテルです。ウィスキーをスコッチ・ウイスキーに変えると「ロブ・ロイ」という別のカクテルになります。
ウィスキーの銘柄を変えるだけで味がガラリと変化するので、色々なウィスキーを試してみるのも面白いでしょう。
オリーブや、チェリーなどがカクテル・ピンで提供された際は食べてもいいですし、残しても大丈夫です。カクテル・ピン入れとして小さいグラスが添えられる場合もあるので、活用してください。
ギムレット (ジンベース)
レイモンド・チャンドラーの小説『長いお別れ』に登場し、「ギムレットには早すぎる」というセリフで有名になったカクテルです。
カクテルの名前の調べ方
この様なサイトでカクテルの名前を調べておき、実際にお店に行って飲んでみましょう。
カクテルは、それぞれ歴史や逸話を持っているので、それらを知っておくと、より一層バーが楽しめるようになります。
メニューから選ぶ
バーのメニューには、
- ジンベース
- ウォッカベース
- ウィスキーベース
- ブランデーベース
- テキーラベース
- ラムベース
- リキュールベース
というように、ベースとなるお酒ごとにメジャーなカクテルの名前が記載されています。
カクテルの名前がよく分からないという方は、メニューから選んで注文して自分の好みを見つけていくのもいいかもしれません。
ベースを指名する
「○○を使って何かカクテルをお願いします。」
このように注文できるので、カクテルの名前を知らない人でも簡単に注文することが出来ます。
ベースとなるものは先程あげた、ジンやウィスキー、リキュール、フルーツなど、なんでも構いません。
「ジンを使ってショートで。ちょっとスッキリしたものがいいです。」
と、アルコールの強さや、味のイメージなども希望するとより良いでしょう。
好きなベースを見つけよう
好きなベースが見つかると、自分に合ったカクテルを見つけるのが容易になります。
気に入ったカクテルがあった場合には、そのカクテルの名前をしっかりと覚えておきましょう。
こうすることで、カクテルのレパートリーが増えていきます。
フルーツを使ったカクテル
時期によっては、旬の果物を使ったフルーツカクテルを出しているお店もあります。
その時は、「フルーツを使ったカクテルは何が出来ますか?」
というように、その日にどんなカクテルを作れるのか聞いてみましょう。
リキュールを楽しむ
バーで飲めるのはカクテルだけではありません。
カクテルの材料として使用されているリキュールを始め、ウィスキー、ビールなどを単体でも楽しむことが出来ます。
リキュールとは
リキュールとは、蒸留酒(スピリッツ)に果実や薬草、香草などを加えて香味をスピリッツに移し、糖分や着色料などを添加して作られたお酒のこと。
- カンパリ
- シャルトリューズ
- コアントロー
- グラン・マルニエ
- パッソア
- クレーム・ド・カシス
- アドヴォカート
- カルーア など
リキュールを飲む場合
リキュールを単体で飲む場合には、飲み方を伝えましょう。
リキュールの飲み方には
- ストレート
- ロック
- ソーダ割り
- トニック割り
- ジュース(オレンジ、グレープフルーツ)割り
などがあります。
リキュール自体がしっかりとした味をもっているので、シンプルにソーダかトニックで割るのがオススメです。
「レモン(ライム)を絞ってください」や、
「オレンジのスライスを入れてください」など、味の調整も可能です。
同じリキュールでもストレート、ロック、ソーダ割り、トニック割、と飲み方を変えることで色々な味を楽しむことが出来ます。
自分好みのスタイルで飲みましょう。
好きなリキュールを見つけたら、
「これに似ているリキュールはなんですか?」
「このリキュールを使ったカクテルって何がありますか?」
などバーテンダーさんに聞いてみましょう。
バーテンダーさんが教えてくれるので、自分のレパートリーが広がります。
特殊なリキュールの場合は取り扱っていないお店もあるので、自分のレパートリーは沢山作っておいた方がいいでしょう。
シャルトリューズ・ヴェールのトニック割
シャルトリューズは「リキュールの女王」とも称される有名な薬草リキュールです。
独特の香りと風味がありますが、ハマると病み付きになるお酒です。
緑(ヴェール)、黄色(ジョーヌ)の2種類があります。
このシャルトリューズを用いたカクテルとしては、
- アラスカ
- スプリングフィーリング
- サンジェルマン
などがあります。
シャルトリューズ自体のアルコール度数が非常に強いので、飲む際には注意しましょう。
アペロールのソーダ割り
アペロールは、イタリアでは国民的な人気を誇る薬草リキュールです。
似たリキュールとしてカンパリがありますが、カンパリよりも甘みが強く優しい味わいを持っています。
シンプルにソーダ割り、もしくはオレンジジュースなどの柑橘系で割っても非常に相性が良いお酒です。
オランチョのソーダ割り
オランチョは、ベルモットにオレンジのフレーバーを加えた物です。
ソーダやオレンジジュースなどで割ったり、ロックでも楽しむことができます。
オランチョのロック オレンジスライスを入れて
この様に同じリキュールでも、違う飲み方で楽しむことが出来ます。
リキュールの種類
- 薬草系
- シャルトリューズ、カンパリ、スーズ、ベネディクティン、チナール
- 果実系
- キュラソー、カシス、ピーチ、梅酒
- その他
- ベイリーズ、チョコレート、アドヴォカート、コーヒー、アマレット
リキュールには沢山の種類があります。
カクテルを味わうのもいいのですが、リキュールを探求してみるのも楽しいですよ!
カクテルは材料同士を混ぜ合わせて出来るものです。
思いつきで、リキュールと何かを混ぜると新しい発見があるかもしれません!
ウィスキーを楽しむ
オーセンティックバーにはウィスキーが多数揃っています。
ウィスキーの飲み方としては、
- ストレート
- ロック
- ハイボール
- 水割り
- トワイスアップ (水:ウィスキー=1:1)
が一般的です。
香り高いスコッチ・ウイスキーなどを飲む際は、ストレートで飲むことをおすすめします。
その際はチェイサー(水)を忘れずに。
※お好みではありますが、チェイサーは、舌の感覚を鈍らせないように氷なしで飲むほうがいいかもしれません。
バーテンダーさんと会話して注文する
「カクテルの名前が分からない」、「メニューを見ても味のイメージが湧かない」
という方は、その時の自分の飲みたいカクテルのイメージを伝えて注文してみましょう。
例えば、
- 「ジンを使って、ロングでスッキリしたものを。」
- 「フルーツを使って甘いものがいいです。」
- 「今日、ここまで歩いてきたので、何かスッキリと喉がうるおせるものを!」
- 「この時期のオススメのカクテルはなんですか?」
など、その時の気分で注文してみましょう。
お店の常連になると
お店に何度か通っていると、バーテンダーさんがあなたのお酒の好みを覚えていてくれます。
ここまでくると、バーテンダーさんに全て委ねてみるのもいいのではないでしょうか。
「今日は、沢山飲んできたから胃に優しいものください」
なんて注文の仕方もあるかもしれませんね。
ざっくりとした会話でも、あなたの好みや、アルコールの強さをしっかりと把握されてると思います。
ベリーニ
旬の白桃を使用した甘口のカクテル
モヒート (ラムベース)
ヘミングウェイが愛したカクテル。最近ではすっかり定番のカクテルとなりました。
ミントを使ったカクテルなので非常に清涼感があり、夏の暑い時期に特にピッタリです。
既存のカクテルをアレンジする
既存のカクテルでもレシピを少し変えるだけで新しい発見を得ることが出来ます。
モヒート (アペロールを使用)
通常モヒートはラムを使いますが、それをアペロールに変えることで、アペロールの優しい甘みとミントの清涼感がマッチした味わいとなります。
スプリングフィーリングにミントを入れる
スプリングフィーリングを作る際に、ミントを追加してシェイクします。
シャルトリューズ・ヴェールとミントの相性がよく、よりスッキリとした口当たりになります。
このように既存のレシピにチョイ足しをすることで新たな発見があるかもしれません。
お気に入りのお酒がある方は、
「○○を使って、~~な感じのカクテルってどうですかね?」
と自分の考えたカクテルをバーテンダーさんにぶつけてみるのもありです。
バーテンダーさんと相談しながら、自分オリジナルのカクテルを完成させましょう。
アレンジは、バーテンダーさんの迷惑にならない範囲で…!
アルコールが苦手な方は
お酒が飲めない人にはノンアルコールカクテルがあります。
お店オリジナルのノンアルコールカクテルもあるので、バーテンダーさんに聞いてみてください。
シンデレラ
オレンジジュース、パイナップルジュース、レモンジュースで作るノンアルコールカクテル。
まとめ
バーの新しい楽しみ方として、様々な注文の方法を紹介してきました。
考えなしに注文するのではなく、じっくりと飲むものを吟味することでバーはより一層楽しいものとなります。
その手段として、注文方法にもこだわってみましょう。
皆さんの、各々自分に合った注文方を見つけて、バーをもっと楽しんでください。
そして、何か分からないこと、疑問に思ったことがあったら、バーテンダーさんにどんどん質問してみましょう。
取材協力・監修
協力・監修
BAR HEART STRINGS NAKASU (バー・ハートストリングス)
バーテンダー:橋本浩二 様
バー ハートストリングス (BAR HEART STRINGS NAKASU) | |
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所在地 | 福岡市博多区中洲3丁目2-2 第3ラインビル5F |
TEL | 092-262-3136 |
営業時間 | 月~土 19:00~翌3:00 |
予算 | 3,000円~5,000円 |
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