こんにちは。
博多の不動産会社プレイングハウジング、チーム博多っ子です。
「不動産屋さんと行く」も素敵なゲストと博多の美味しい処をご紹介させて頂いて、早くも一年を過ぎ今回で20回目となりました。
博多といえば、「屋台」と、全国的に有名なのに、博多の「屋台」をまだご紹介していない事に気がつき、20回目は「博多の屋台」をご紹介いたします。
昔は、400軒以上あった屋台も、後継者の問題などで屋台の存続が危ない時期もありましたが、福岡市の観光として屋台文化を残す活動などで今は120軒程の屋台が「博多の屋台」を支えておられます。最近では、外国や県外からのお客様も凄く増えたようです。
「博多の屋台って、敷居が高いイメージだよね」と最近、博多に引っ越して来られた友人に言われてビックリしました。
そんなことは無いですよ!
「博多の屋台」の魅力は、なんといっても気軽に入れて、気軽に帰る事が出来る!
そんな地元の人たちに愛されている「博多の屋台」をご紹介します。
中洲の川沿いに並ぶ屋台
元屋台の店主、峯本憲一さん ご夫妻を今回のゲストに迎え「博多の屋台」について語りたいと思います。
ゲストの峯本ご夫妻
チーム博多っ子の後輩で、日頃、屋台に入ることのない奥様のルミさんが、仕事帰りに吸い寄せられるように入った屋台の店主と恋におちて、2年程前にご結婚されたという経歴です。
峯本さんに「博多の屋台をご紹介してほしい」とお願いしたところ、行きつけの屋台で地元の人がよく集まる「風来ケン坊」へご案内いただきました。
昼間は歩行者専用通路に夕刻から屋台が開店準備を始めます。
初夏に入り、寒さ避けの囲いも取り外されて完全にオープンスタイルです。
グルメデータ
屋台 風来けん坊 | |
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所在地 | 福岡市博多区中洲5丁目 明治安田生命ビル前(昭和通り沿い) |
TEL | 090-1979-7296 (15時~25時の間:電源が入ってない場合は営業していません) |
営業時間 | 19:00 ~翌1:00 |
定休日 | 日曜日・祝日・荒天候(雨や強風など) |
本日のゲスト
今日はお時間をつくって頂きありがとうございます。
峯本様
お久しぶりです。今日でよかったですね。明日から雨が続くみたいですよ。
そうなんですよ、天気に恵まれ無事に取材できます。
屋台は、天候で営業できるかどうかが決まるので大変ですよね。
峯本様
今から梅雨に入っていくから休みが多くなるんじゃないの?
屋台の女将さん
そうですね。でも去年は、そうでもなかったんですよ。午前中に降って夕方雨が上がった日が多かったみたいで。タイミングですね。
小雨くらいは、大丈夫でしょうが、風の方が危ないのではないですか?
屋台の女将さん
怖いですよ、突風や台風などは無理ですね。
店をなおす(おかたづけ・元に戻すなどの意味)にも時間がかかるからね。
峯本様
すぐには、片付けられんけんね。(お片付けできない)2時間ぐらいかかるよね。
屋台の女将さん
新しい屋台になって30分くらい片付けが早く終わるようになったよ。
屋台について
屋台を新しく作り直されたんですね。
屋台の女将さん
本体は2回作り直したんですが、なかなか屋台を作る専門の人がいなくなって、大変でした。
知り合いの建築屋さんで、山大工(山笠大工)の方に相談したところ「屋台、作ってみようか」という事で、去年の3月に特別に作ってもらったんですよ。
へぇ~、山大工さんが作られたんですかぁ、凄いですね。看板の字も金太夫さん(博多の筆師 錦山亭金太夫)で Made in博多の屋台ですね。
「風来けん坊」の女将さんと息子さんのケンタさん
こちらに屋台を出されてどのくらいになりますか?
屋台の女将さん
35年ですね。昔、川沿いにお姑さんが「風来坊」という屋台をしていまして、大将が一代目けん坊として「風来けん坊」をこちらに出して35年です。今は、息子が二代目けん坊です。
代々継がれていかないと、屋台を残すことはできないんですよね。
峯本様
福岡市の屋台条例が厳しくて、どんどん辞めていますよ。
観光として残す事と、道路事情や周辺住民からの苦情など行政も大変ですが、博多の屋台は、昼間普通の通路が夜になると屋台が営業している、この違いが博多の屋台でしょう。作られた屋台村とは魅力が違います。
屋台条例で朝の4時には、撤退していないと駄目だし、きれいにお掃除して元の通路に戻す。チリひとつ残さない。忘れ物やゴミなど残したら、罰金か辞めさせられるほど、厳しいです。
屋台の女将さん
この近辺も、再開発などの理由で屋台を閉めたり、移転していますよ。
昔は、ホテル・オークラもリバレインもなかったですし、前のトイレも無かったからね。
トイレが近いとお客様には便利ですね。
峯本様
いいですよ、近くにトイレが無い店は、近くの公園かコンビニなどに行ってもらうしかないからね。
峯本さんからみての屋台の魅力って、なんだと思いますか?
峯本様
気軽に道すがらパッと入ってパッと帰れる。隣の人とすぐ仲良くなれるかな。この前、ここに(風来けん坊)来た時も隣のお客さんとすぐ仲良くなったし、二度目に会った時はもう、お友達です。
そこらへんは、普通の店より早く仲良くなれるのが屋台でしょう。
峯本ご夫妻も、すぐ仲良くなれましたね。(笑)
峯本様
いやいや、お客様との恋愛は僕の中ではご法度だったんですけどね。(笑)
屋台のお料理
峯本さんのおすすめのお料理を頼んでくださいね。
峯本様
いつも、最初はおでんとビールからはじめます。おすすめのおでんは、豆腐のおでんです。
厚揚げのおでんは定番ですが、お豆腐は珍しいですね。
木綿豆腐のおでん(けん坊特製ダレ) 150円
大根・たまご・牛すじ 各150円
屋台をされていた時は、仕込みが大変だったでしょう。
峯本様
そうですよ、飲食店は、仕込みが大事ですが、普通のお店は、7割仕込みのところ、屋台の場合9割仕込みで準備して注文された時には、焼く・炒める・温めるだけにしておくので、注文して早く出てくるのも屋台の魅力でしょう。
お店を開店する前だと随分早くから仕込みに入りますね。
峯本様
お昼前には、自宅で仕込み始めていましたね。屋台は、天候も営業に影響しますが、仕込み、本体の移動・組み立て・解体、お掃除と時間との勝負でもありました。
ラーメンを美味しくいただける時間帯ってありますか?
峯本様
開店時間には、仕事帰りのサラリーマンの方がちょい飲みされ、夜9時から11時くらいが、一番お客様が多い時間帯なので、やっぱり、その時間帯にスープの煮込み具合を合わせますね。
飲んだ後の〆のラーメンは、その時間帯がおすすめですね。
峯本さんの屋台のラーメンは美味しかったもんね。何かこだわりがありましたか?
峯本様
もう、お店を辞めたから言えるけど、化学調味料を使いたくなかったので、試行錯誤して、たどり着いた隠し味がオイスターソースです。
へ~、そうやったったいね。(そうだったんですね)
峯本様
ラ-メンの話をしていたら、焼きラーメンが食べたくなった。
結構、焼きラーメンは酒の肴になるんですよ。あと、ハイボールください。
焼きラーメン 650円 (博多屋台が発祥)
缶のハイボール・かちわり(氷) 500円
メニュー表
屋台のイメージについて
昔は、屋台は安い価格で飲める感じだったけど、今は高いイメージの声を多く聞ききますが。
峯本様
色んなお店があるからね、一概に言えませんが、仕込み時間や天候の事も考えて下さい。それなりの価格設定ですよ。ただ、メニューに値段が書いて無いお店はご用心かな。
うちは、外にメニュー表を出していましたよ。
「いちげんさん」も安心だよね。
峯本様
常連さんが出張で来られた方や単身赴任の方を連れてこられましたよ。また、単身赴任の方は、奥さんや家族を連れてこられ、喜ばれていましたね。
女将さん、豚バラください。
豚バラ・とり皮(塩) 一本150円
博多の焼き鳥屋さんといえば、なぜか豚バラとサービスのキャベツは定番です。
峯本様
じゃあ、僕は、ホル鉄で。
風来けん坊一番人気 ホルモン味噌鉄板 850円
峯本様
作り変える前のここの屋台は、ネタケースが目の前にあったので、ハムステーキなど、美味しそうで良く注文していました。
屋台の女将さん
ハムステーキは男の人、好きだよねぇ。
ハムステーキ 500円
にら玉 550円
美味しそう、熱燗がいいかなぁ~。
屋台の女将さん
はい、熱燗ね。
まだ、明るい時から飲んでいたけど、暗くなるとまた、違う空間ですよね。
峯本様
そこも屋台の魅力で、寒い時・暑い日、博多の気候も感じながら隣り合ったお客様同士が、同じ空間で酒を酌み交わしながらおしゃべりする。
ほんわかした、コミュニケーションの場ですね。
締めは、ラーメンをお願いします。博多のラーメンは細麺ですが、硬さの好みの言い方がありますよね。
峯本様
そうですね、硬さから順番に
- 粉落とし・湯気通し(ほとんど生)
- ハリガネ
- バリカタ
- カタ
- 普通
- ヤワ
- バリヤワ
普通でお願いします。
ラーメン 500円(半ラーメン 450円)
ラーメンのトッピングに博多辛子たかなと紅ショウガ(サービス)
あっさり、とんこつスープで昔ながらの博多のラーメンで、ほっとする美味しさです。
取材を終えて
最後まで読んでいただきありがとうございます。
毎日が縁日のような、博多の屋台を、一度は体験してみたいと感じていただければ嬉しいです。
博多の街も、山笠の長法被姿の男衆を見かけるようになり、博多山笠と屋台を体験すれば貴方も博多通になれるかも。
PS:二代目けん坊は、山笠の大黒流れ所属です。